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言葉は踊る:展望なきエネルギー基本計画政府案

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p> 政府は2月25日、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるエネルギー基本計画の政府案を決め、安全が確認された原発は活用していく姿勢を改めて示した。与党での議論を経て、3月中の閣議決定を目指すという。

一方、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーについて政府案は「2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく」と明記した。経産相は「(再生可能エネルギーを)しっかりと推進していく方針を明確に示した」と語った。

ベース電源かベースロード電源か?

昨年発表された本計画の経産省案は、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけていたが、政府案は「基盤となる」の表現を削った上で、表現を「ベース」から「ベースロード」に変えたのだが、国民には分かりにくい。

「ベースロード」というカタカナ語には、発電時のコストが低く、昼夜問わず一定量を発電し続けると、いう意味を持たせている。これには原発のほか石炭火力や水力、地熱も当てはまるとし、原発偏重の印象を薄めようとした。

しかし、この表現はあまり適切ではない。「昼夜問わず一定量を発電し続ける」は正しいが、「コストが低く」の方は、原発のコストをどこまでみるかによって天と地ほどの差がつくからだ。

例えば、テロなどへの対策をどこまでやるか。空からの攻撃に備えた防空システムを構築するとなると大変な費用だ。さらに、事故の際の避難場所、それも体育館や仮設住宅ではないしっかりした本格的な住宅を数万人分用意するとなると、コストは天文学的な数字になるだろう。

さらに、原発については依存度を「可能な限り低減させる」としながら、肝心の数値目標がなく、低減のための方策も明記されていない。

(※全文:2,495文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

村沢 義久(むらさわ・よしひさ)

合同会社 Xパワー代表、環境経営コンサルタント

東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から10年まで東京大学特任教授。10年から13年まで同大学総長室アドバイザー。13年から16年3月まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。

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