2016年12月27日、東芝は、傘下のウエスティングハウス(WH)の子会社であるS&Wの資産価値が大幅に低下し、巨額損失が発生する見通しになったと発表。その後、この損失が6800億円程度に膨らむ可能性が出てきた。東芝の同年9月末時点の自己資本は約3600億円なので、このままだと2017年3月期決算で債務超過に陥ることになる。巨額損失の原因は原発事業の行き詰まりだ。
東芝がWHを買収したのは2006年のこと。三菱重工やゼネラル・エレクトリック(GE)などとの争奪戦に勝ってWHを取得。そのコストは追加出資分も含めると約6400億円に昇り、ライバル企業が提示した金額の2倍を超えたと言われている。