英GridBeyond、エネ貯蔵特化ファンドと安定供給・収益最大化で提携

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(出所:GridBeyond)
(出所:GridBeyond)

電力最適化や分散型エネルギーリソースの管理など、エネルギーの柔軟性を有する資源や設備のマネジメントを行う英GridBeyondは2月27日、英Gore Street Energy Storage Fundと、米国カリフォルニア州南部に位置するエネルギー貯蔵システム「Big Rock」(200MW)のスケジューリングコーディネーター業務、トレーディング、およびエネルギー最適化サービスを提供する契約を締結した。

AI技術「Bid Optimizer」で収益最大化へ

同契約により、GridBeyondのAI技術を活用し、エネルギー貯蔵システムの収益性を最大化するとともに、カリフォルニア州の脱炭素化と電力の安定供給を推進する。

取り組みにあたっては、GridBeyondのAI最適化プラットフォーム「Bid Optimizer」を活用する。Bid Optimizerは、電力市場の市場価格予測データとエネルギー資産のシミュレーションを統合し、最適な入札戦略を策定するAIツールだ。従来のトレーディング手法を超えた戦略的意思決定を可能にし、収益の最大化とリスクの最小化を同時に実現するという。

この技術により、Big Rockプロジェクトの運用最適化が進み、カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)市場での収益向上が期待される。さらに、GridBeyondは入札戦略の炭素排出量可視化にも取り組んでおり、環境負荷の削減と最適化サービスの透明性向上を目指す。

クリーンエネルギーの安定供給を支援、日本市場にも注目

カリフォルニア州では再生可能エネルギーの導入が加速しており、エネルギー貯蔵システムの役割が一層重要になっている。Big Rockエネルギー貯蔵システムは、発電量がピークとなるタイミングで余剰の太陽光エネルギーを蓄え、電力需要が高まる時間帯に供給することで、化石燃料依存の軽減と電力網の安定性向上に貢献する。

GridBeyondは、今回の提携を通じて、最先端技術によるエネルギー最適化を推進し、カリフォルニア州の電力市場における再生可能エネルギーの有効活用を加速させる方針である。

加えて、日本市場への関心も高めており、国内の機関投資家やエネルギー関連企業とのパートナーシップを模索している。エネルギー貯蔵の導入拡大が進む日本市場において、プロジェクト開発や最適化の可能性を探る。

同社は今後も、より効率的で環境負荷の少ないエネルギー最適化を推進するとともに、国内外の脱炭素化に向けた取り組みを加速させていく方針だとしている。

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