VR営業「精神的ストレス受けにくい」 初対面では誤解を生みやすいリスクも

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(出所:パーソル総合研究所)
(出所:パーソル総合研究所)

パーソル総合研究所(東京都港区)は11月11日、玉川大学と共同で実施した「メタバース社会における対人インタラクション研究」の結果をとりまとめ、対面と非対面ではコミュニケーションに違いがあることが明らかになったと発表した。

メタバース空間におけるVRアバターを介した営業は精神的ストレスを受けにくいものの、初対面では誤解を生みやすいリスクがあることなどをまとめている。調査の詳細は以下のとおり。

相手に意図を伝える場面では「対面」が最も有効

この実験では、営業担当者13名に対して、3つのコミュニケーション形態(対面営業・VRアバター営業・ウェブ会議営業)を試し、その効果として以下3点を確認した。

  • 相手に意図が伝わったと感じたか(意図の発信)
  • 相手の意図が理解できたと感じたか(意図の受信)
  • 精神的な安定度合いはどうだったか(心理的負荷)

その結果、意図の発信・受信ともに「対面」が最も高い評価となった。心理的負荷については、「VRアバター」が最もストレスを受けないという結果となった。営業熟練者群では、「ウェブ会議」「対面」はほぼ同じ傾向であったが、「VRアバター」は意図の発信・受信ともに低評価であった。

同調査では以下のような特徴が確認されたとしている。

対面

やや「動的」、「機敏な」印象を抱き、他の形態と比較して「近く」「信用できる」が「緊張した」と評価していた。

VRアバター

やや「軽い」印象を抱き、他の形態と比較して「わくわく」するが、「嘘くさい」と評価していた。

ウェブ会議

やや「静的」「地味な」「暗い」「陰気な」「鈍い」「退屈な」「遠い」印象を抱き、他の形態と比較して「誇らしい」と評価していた。

実験後のインタビューでは、VRアバターの活用場面としては初対面の相手よりも一定の人となりを承知している相手との対話などに向いており、営業的な説明・折衝場面よりも複数人でアイデア発想するなど創造的ワークにこそ利点があるのではないかとの意見が聞かれた。

同社は今回の実験は13名の限定的な実験であるため、今後こうした仮説をさらに検証していく必要があるとしている。

実験概要の概要は以下のとおり。

(出所:パーソル総合研究所)
(出所:パーソル総合研究所)

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