旭化成、ファミマ、コカ・コーラら、ブロックチェーン活用したPETリサイクル実証

旭化成(東京都千代田区)、ファミリーマート(同・港区)らは6月8日、ブロックチェーンを活用したペットボトルリサイクルサービスの実証実験を行うと発表した。回収された使用済みペットボトルが素材や製品に加工されるまでを、消費者がスマートフォンでトレース(追跡)できるサービスで、自分が持参したペットボトルが最終製品になる過程を可視化することで、興味関心や行動変容が喚起されるとしている。
実証実験を行うのは、上記の2社のほか、伊藤忠商事(同・港区)、伊藤忠プラスチックス(同・千代田区)、コカ・コーラ ボトラーズジャパン(同・港区)の5社。さらに、パートナー企業として後述の8社が協力するという。
追跡サービスを利用するには、ファミリーマートの店頭の専用回収箱に、使用済みペットボトルを投入する必要がある。投入後は回収箱の二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入した本数をスマートフォンアプリで登録する。登録後は、投入したペットボトルがどこにあるか、どのような処理をどの企業が行っているかをリアルタイムで確認できるようになるという。
実証実験では、アプリの稼働状況や、消費者の行動、再生プラスチックの利用に与える影響などを検証する。実証期間は6月15日から8月31日(予定)、東京都内のファミリーマート3店舗で実施する。
「BLUE Plastics」でブロックチェーン活用し資源循環社会の実現へ
同実証実験は、旭化成による資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス:Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy)」の取り組みの一環として実施される。同プロジェクトのトレーサビリティシステムには、日本アイ・ビー・エム(日本IBM/東京都中央区)のブロックチェーン技術が用いられるという。
2022年9月、ファミリーマート実店舗において、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ(追跡可能性)の実証実験を実施したところ、当該店舗でのペットボトル回収量が通常の2倍以上に増加、品質(ボトルの洗浄・ラベルの除去などの質)も大きく向上したという。
2回目となる今回は、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが新たに参画。ペットボトルが再びペットボトルに生まれ変わるまでトレースすることが可能になった。さらにアプリのアップデートも行い、ランキング機能などを実装。リサイクルの結果を消費者がより実感しながら参加できる仕組みを構築し、回収の量・質の向上を目指すという。
5社は、同実証を含む一連の取り組みを通じて、デジタルプラットフォームによるトレーサビリティの価値を確認し、さらなるプラスチック資源循環を推進していくとしている。
協力パートナー企業は以下の通り。
- 明和運輸(東京都足立区)
- 春江(東京都江戸川区)
- 利根川産業(東京都足立区)
- J&T環境(神奈川県川崎市)
- 遠東石塚グリーンペット(茨城県猿島郡)
- アース・グリーン・マネジメント(長野県飯田市)
- 協栄産業(栃木県小山市)
- 日本パリソン(茨城県猿島郡)