全国web3サークル探訪記

大学生から見るweb3 第2回「Nagoya Blockchain」(名古屋大学)

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ハッカソン開催時の集合写真
ハッカソン開催時の集合写真

web3の分野では、特に若い世代に勢いがあることが特徴の一つとなっている。web3ビジネスでは、web3の今後を担う大学生に焦点を当て、web3の未来を探る。第2回では、名古屋大学の「Nagoya Blockchain」の設立者で代表、4年生の丸岡亮太さんに話を聞いた。

名古屋のweb3業界を盛り上げたい

ーー設立の経緯について教えてください。

僕は元々ベンチャーキャピタル(VC)でインターンをしていました。ある時からweb3分野の資金調達のニュースをよく見かけるようになり、ビジネスのトレンドとして自分も学ばなければと思い、勉強の場として2022年3月に「名古屋大学web3研究会」を設立しました。その後、海外取引所のデリゲーター(意見提案者)を務めるようになったりと、グローバルで発信する場面が出てきたこともあり、設立して1年ほどの時期に現在の「Nagoya Blockchain」という団体名を名乗るようになりました。

僕と友人の2人で立ち上げた団体ですが、現在Discord上では150人ほどのメンバーがいて、いわゆるコアメンバーは10人ほどです。150人のうち大体3分の1は社会人メンバーです。

メンバーとしては、web3の技術を持っていて実際にアイディアを形にしていくといったスタンスのメンバーもいますが、どちらかというと初心者が多いです。NFTやブロックチェーンといった分野に興味を持って入ってくれるメンバーが多いようです。

ーー活動内容について教えてください。

基本的には勉強会とイベントの2軸で活動しています。勉強会に関しては一般的・基礎的な知識の勉強会や、デリゲーターとして提案をする内容に関する議論などを基本的にはオンラインで行っています。他大学と合同で行うこともあります。

イベントに関しては、さまざまなイベントに参加したり、自分たちでイベントを主催したりしています。大きいものでいうとハッカソンや、小規模なものでいうと有識者や一線で活躍されているゲストの方をお招きして、「ごはん会」を開催したりしています。

ーー活動において掲げているミッションはありますか。

「web3を名古屋から盛り上げていこう」ということをずっと掲げています。どうしてもこういった新しいトレンドは東京以外の地方は遅れてしまう傾向があるので、積極的に僕らが発信していって、盛り上げていこうという思いがあります。

さらに名古屋という地域は大きいテック系の企業が多いためエンジニアの方が多くいます。web3にはエンジニアの方の力が欠かせないので、そういった意味でも名古屋から盛り上げていけるのではないかなと思っています。

ーー設立から1年半ほど経って、目標にはどの程度近づいていますか。

一番進んでいるなと感じたのが8月に主催したハッカソンです。賞金規模75万円、参加者も50人ほど集まって、審査員、ゲストの方ともに、幅広い地域からご参加いただきました。

そこで、名古屋の中でもそういったブロックチェーンコミュニティが、イベントを通してできつつあると実感しました。このような輪をどんどん広げていきたいと思っています。

学生にとってチャンスが多いのがweb3業界

ーー大学生の立場から、web3をどのように捉えていますか。

学生の立場で「web3」というものを考えると、web3市場はチャンスが多いと思っています。例えば有名なチェーンさんから学生アンバサダーの話が来ることもあり、そういった関わりそのものも貴重ですし、そこから著名なベンチャーキャピタルさんと繋げていただいたりだとか、いろいろな機会がありますので、今学生がweb3に関わるというのはすごくアツいなと考えています。

それから通常、学生の立場だと、大企業の方とお会いすることは難しいと思います。ただweb3業界においては、そういった方々と関わる機会が比較的多くあります。メンターや出資者、イベント登壇者として来ていただいたり、web3人材を求めているということでインターンや就職などでお世話になることもあります。そういった意味でも非常にチャンスだと思います。

ーー企業で働くことや起業することを考えたときに、他の分野よりweb3のほうが、活躍の道が開けてるということですね。

昔からブロックチェーン技術自体はありましたが、今改めて「web3」という分野に対して急激に注目が集まっている状況です。他の業界と比べて、スタートラインがわりと揃っているので、今からでも勝ち目があるというか、若い人にこそチャンスがある業界がweb3ではないかなと。

名古屋で熱量あるコミュニティを続けていく

ーー団体として、丸岡さんとしての今後の展望や目指す姿をそれぞれ教えてください。

団体としては名古屋でしっかり熱量あるコミュニティを続けていきたいと思っています。今ブロックチェーンのコミュニティは名古屋にもいくつかありますが、特にブロックチェーン全般や技術にフォーカスしているのは、今のところ僕らだけだと思っています。大学生が主体であるという特性上、代替わりは起こりますし、僕も来年には卒業します。こうした団体を僕が抜けてしまった後でも残していく必要があるので、全員でそういう空気を作っていきたいと思っています。

僕個人としてはDAO(分散型自立組織)に興味があって、今後どう発展していくのか注目していますし、関わっていきたいと思っています。特に日本だとプロトコル堅牢というのがあまりなくて、分散性を保って独自で動いていけるような、DAOが今後どのように生まれていくのかということに注目しています。

丸岡 亮太(まるおか・りょうた)さん Nagoya Blockchain設立者/代表 名古屋大学経済学部4年生
丸岡 亮太(まるおか・りょうた)さん
Nagoya Blockchain設立者/代表
名古屋大学経済学部4年生

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