「国内メタバース市場は30年24兆円に」 三菱総研レポート
三菱総合研究所(東京都千代田区)は11月22日、メタバースの今後の展望についての研究レポートを発表した。2030年の国内メタバース市場規模は24兆円に達し、数十億人を超えるユーザーが利用するようになると予測している。
2025年には4兆円規模に、ゲーム・オフィスワークで利用拡大
同レポートでは、潜在的な市場規模を推計し、将来の市場規模を調査した。
メタバース国内市場は、2025年には4兆円程度、2030年には約24兆円規模に達すると予測している。ジャンルとしては、ゲーム・アミューズメントやオフィスワークなどで利用拡大が見込まれる。一方で、2030年代はメタバース普及が十分なレベルに達しておらず、多くの領域では現状の環境とあまり変化がないと予測している。
グローバル市場では、2030年の市場規模は1〜2兆ドルになると予測。一部の投資会社やコンサルティング機関、市場調査機関などは、8〜13兆ドルに達すると分析している。
バーチャル技術を活用した、ジャンル別の有望な活用法
また同レポートでは、バーチャル技術(V-tec)の有効性を分析。同技術を活用することで、あらゆる領域において課題解決につながると伝えている。
たとえば、製造現場では、以下のような課題緩和につながると指摘する。
- 短時間での技術伝承・リスキリング
- 就労時のストレスの軽減
- 付加価値を生まない時間の最小化
V-tecにより、匠の技術をロポットの動作として再現したり、複雑な作業の機械化を実現。また専門技術を新人に効率的に伝承することもできる。製造現場でのメタバース活用により、労働価値の向上や拘束時間の短縮といった効果が期待される。
そのほか、同レポートでは、土木・建築、ロジスティックス、リテール、オフィスワークなどでの応用例を解説。また、オンライン教育や医療・健康、観光、ゲーム・アミューズメントなど、働き方以外の領域での有望な活用方法についても紹介している。
「CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース」
同レポートの名称は、「CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース」。国内メタバース動向を2部構成で分析している。
- 第1部:「V-tec(バーチャルテクノロジー)活用の場としての広義のメタバース」
- 第2部:「V-tecの応用領域の俯瞰」
第1部は、メタバースの特徴と展望を解説。第2部は、V-tecの応用が有望な産業領域を抽出、それぞれの課題や将来の利用イメージ、市場規模をまとめている。