JBA、暗号資産の税制改正要望 含み益課税撤廃など

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世界暗号資産ランキング(出所:日本ブロックチェーン協会)
世界暗号資産ランキング(出所:日本ブロックチェーン協会)

日本ブロックチェーン協会(東京都港区)は11月15日、暗号資産に関する税制改正要望書を政府に提出した。

今回、同団体は「暗号資産を発行・保有する法人への期末含み益課税の撤廃」「申告分離課税・損失の繰越控除の導入」「暗号資産同士の交換時における課税撤廃」の3つの税制改正を 求めた。要望書の詳細は以下のとおり。

日本でのWeb3事業展開の障壁となっている、暗号資産税制の見直しを要求

期末含み益課税の撤廃

暗号資産を発行または取得した法人が保有する短期売買目的以外の暗号資産に対する課税を、期末の時価評価による課税から、帳簿価額(会計上で記録された資産や負債の評価額)による評価として撤廃すること。特に自社発行トークンに対する期末含み益課税を撤廃し、Web3人材の国外流出を止め、国内のWeb3事業環境を早急に整備すること。

申告分離課税・損失の繰越控除の導入

暗号資産取引にかかる利益への課税を、総合課税から申告分離課税に変更し、税率を一律20%とすること。また、損失を出した年の翌年以降3年間、その損失を繰り越して、翌年以降の暗号資産に係る所得金額から控除することができるようにすること。暗号資産デリバティブ取引についても同様の扱いとすること。

暗号資産同士の交換時における課税の撤廃

暗号資産同士の交換に対する課税を撤廃すること。これまで暗号資産同士を交換する際、発生した利益に対してその都度所得税が課されていた。しかし発生する処理データや交換する種類が多岐に渡るため、納税計算が非常に煩雑になり、暗号資産が本来もつ利便性を著しく阻害していた。

近年、新しいビジネス分野としてWeb3に注目が集まっているが、企業が日本でWeb3に関する事業を行う場合や個人が暗号資産を保有する際には暗号資産に関する税制が大きな課題となる。

特に自社発行の暗号資産は、現金収入が発生しなくても法人税法上の期末時価評価の対象となるため、スタートアップ企業が海外に拠点を移す際の大きな障害となっている。

JBAはブロックチェーン技術の健全な普及、発展に貢献するために2014年に設立された業界団体。Web3先進国としての認知向上と、日本におけるWeb3経済圏拡大を目指す。11月14日時点で、大手企業・スタートアップ・地方自治体など165社が加入している。

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