海賊版NFT完全排除へ 正規流通促進でSBINFTとJPNFTが提携

  • 印刷
  • 共有
「jpnft」と連携したNFTマーケットプレイスの構築(出所:SBINFT)
「jpnft」と連携したNFTマーケットプレイスの構築(出所:SBINFT)

SBIグループの子会社で、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスを運営するSBINFT(東京都港区)とJPNFT(同・千代田区)は6月12日、正規版NFTの流通促進を目的とするマーケットプレイス構築に向けた業務提携に合意した。権利者の許可がない「海賊版NFT」を排除し、NFTの適正な流通を目指す。提携によるコンテンツの公開は、2023年夏頃の予定。

海賊版NFTが横行 解決のため提携へ

近年NFT市場が盛り上がっている一方で、知的財産(IP)を不当にNFT化した「海賊版NFT」が多く作られている。それによりIPホルダーが正当な利益を得られず、消費者が偽物とわからず購入してしまうなど、不正な流通による問題が発生しているという。

特に、日本の漫画やアニメなどのコンテンツやアート作品の人気が世界で高まる中、許可なく作られた海賊版NFTは、著作権を侵害し、正規IPによるNFT展開を妨げる要因となっている。この課題に対し、NFTの安全性の向上と業界の発展に取り組む両社の理念が一致し、協業に至ったという。

SBINFTのマーケットプレイスにjpnftの情報を組み合わせる

SBINFTが運営する「SBINFT Market」は、グローバルなマーケットプレイスとして、国内外で使用されている2つのパブリックチェーン(イーサリアム/ポリゴン)を採用。安全で適正なNFT取引のために、「承認制NFTマーケットプレイス」として、厳正な審査を通過した事業者やアーティストによるNFTのみを提供してきた。

JPNFTは、正規版NFTと、違法な海賊版NFTを区別できるNFTプラットフォーム「jpnft」を提供。jpnftは、経済産業省令和3年度補正予算の「コンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金(J-LOD)」支援対象事業として採択され、開発された。

今回の提携で、SBINFT Marketにおける取引では、jpnftでの正規ライセンス情報照会やjpnft認証マークの表示を通じて、正規NFTであることを確認できるようする。

今後、SBINFT Marketは、jpnftが適正と審査したNFTを取り扱う公認のNFTマーケットプレイスとして、コンテンツの充実、正規品流通の活性化に取り組む。両社はNFT業界の発展にセキュリティの観点から貢献していきたいとの考えだ。

この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)

関連記事