博報堂キースリー、web3時代の企業向けウォレットを提供

web3ハッカソンの企画・運営を行う博報堂キースリー(東京都港区)は3月16日、データ活用事業を行うDataGateway(シンガポール)と共同で、企業向けウォレットサービス「wappa」の提供を開始したことを発表した。
企業の「自社アプリ内でウォレット(デジタル資産やデータを保管する場所)を実装したい」、「NFT(非代替性トークン)を活用したプロモーションを実施したい」などの用途に合わせてウォレットを導入できる。両社は、生活者がデータを安全に管理・活用できる未来を目指すとしている。
「wappa」は、個人に関連するさまざまなデータやNFT、証明書等をユーザー自身が持ち運べるウォレットで、本人のみが情報を閲覧・管理できる。分散型IDの発行と活用のための機能を提供するとしており、主な機能は以下の通り。
- ユーザー端末・分散型ストレージへのユーザー情報の管理
- ブロックチェーンを基盤としたポイント発行の管理
- QRコード・Bluetoothでのユーザー情報共有権限の認証
- 複数ブロックチェーンに連なるNFT受け取り・閲覧・譲渡
- 他社顧客IDとの連携・相互運用
- 異なるブロックチェーン基盤との相互運用
- wappaウォレットログイン
- 第三者への個人情報の選択的情報開示
- 趣味嗜好などの証明書(自己主張型アイデンティティ)の発行
なお、生活者は企業にウォレット内の情報を開示するかどうか事前に選択し、企業は承認が取れた生活者にのみ情報発信をする、「web3時代の新しいデジタルマーケティング手法」だという。web3の技術によってデータの主導権が企業から生活者へと移っているとして、企業が個人情報を蓄積せずとも、顧客へアプローチできるサービスの開発に取り組み、「wappa」の開発に至ったという。
なお、「wappa」の名前は、日本古来の弁当箱「曲げわっぱ」から。弁当箱のようにデータを持ち運び、そこから生まれる新しい体験を楽しんでほしいという想いが込めている。
同社は今後、賛同する企業と、同技術の社会実装を進めていくとして、「wappa」を使った事業の共同開発・実証実験を共に行うパートナー企業を募っている。