大成建設ら、「石見銀山」築260年古民家の現実・仮想空間を共有

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デジタルツイン空間には手描き風のCGを採用、暖かみのあるタッチでを描くことで、その土地の持つ空気感を表現(出所:ワントゥーテン)
デジタルツイン空間には手描き風のCGを採用、暖かみのあるタッチでを描くことで、その土地の持つ空気感を表現(出所:ワントゥーテン)

大成建設(東京都新宿区)は11月16日、石見銀山群言堂グループが保有する古民家「鄙舎(ひなや)」を使って、現実空間と仮想空間を共有する実証実験を開始すると発表した。

鄙舎は石見銀山にある築260年の茅葺きの古民家。今回の実証では、現実空間の「鄙舎」をもとに、仮想空間「バーチャルひなや」を構築した。

この実証では、身体感覚を伴った高い情報密度での相互共有が可能な「デジタルツインバースシステム」が活用されている。「バーチャルひなや」での滞在中は「鄙舎」との身体感覚を伴った情報密度の高いコミュニケーションが可能となる。

直接会っているようなライブ感を実現

今回のデジタルツインバースシステムを開発したのは、京都市のIT企業ワントゥーテン。同社のデジタルツインとAIエージェント統合ソリューションの「QURIOS(キュリオス)」が採用された。

同ソリューションに、「バーチャルひなや」のデータを提供することで、位置や音声、映像などのさまざまな情報を、現実空間と仮想空間でリアルタイムに相互共有化。そのほかXRやAIエージェント、ロボットなど、高度なデジタル技術を導入することで、身体的感覚を伴った情報を得て、直接会って会話をしているようなライブ感を実現した。

今後は、2027年の石見銀山開山500年や世界遺産登録20周年にあわせて、石見銀山の街道(約80m)のデジタルツインを構築し、実証実験で得られた経験をもとに石見銀山全体でも展開する予定だ。

「QURIOS」はメタバース空間を現実の空間とリアルタイムに連動させることができるプラットフォーム(現在、特許出願中)。日本中のあらゆる地域をデジタルツイン化し、世界中から誰でも参加できる自由なプラットフォームを目指している。

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