CDP、日本に求めるのは情報開示の先の行動 2024年からは中小企業専門の質問書も展開
企業の環境情報開示のグローバルなプラットフォームを運営する英国の非営利団体CDP。2000年の発足以来、投資家、企業、国家、地域、都市へ向け、情報開示を通じ、グローバルな環境課題に対するエンゲージメントの改善に努めてきた。これまでの活動、2024年以降へ向けた新たな動き、日本企業に期待することなど、Chief Impact Officer(CIO)を務めるニコレット・バートレット氏に聞いた。
多様な環境開示要件を1つに統合
CDPは、発足から23年間、環境の情報開示プラットフォームを運営してきた英国のNGO。「測定していないものは、管理できない(You can't manage what you don't measure)というのが我々の根本的な考え方です」とバートレット氏。
管理のスタート地点に測定があるという思想を基本に、情報開示の基準、国際基準のフレームワークを質問に落とし込むことで、多様な企業、自治体から共通のデータポイントを集め世の中に提供し、環境の情報開示を促進する。
現在では、世界の時価総額の3分の2を超える23,000社以上の企業がCDPを通じて情報開示を行っており、企業の環境情報に関する世界最大級のデータベースを有する。
CDPはこれまで、主要な開示基準設定機関や規制当局と緊密に協働しながら、質問書を様々なフレームワークや基準と整合させてきた。2018年には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に、2024年からは国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の気候変動に関する開示基準「IFRS S2号」にも完全に整合する予定だ。さらに、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)との整合を進めていくほか、欧州EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)などとパートナーシップを組み、それらのフレームワークとの連携も進めていく。
CDPの質問書には、「気候変動」、「フォレスト」、「水セキュリティ」の3つがあるが、近年は生物多様性、プラスチックなどにも対象分野を拡大している。 「様々な所から開示要請を受ける企業の負担を減らすため、2024年から、これまで複数あった質問書を統合した新しい質問書を出していきます。CDPを通じて開示することで、他の開示要件もカバーする。情報開示にかかる時間的、資金的負担を減らすことで、そのリソースを実際のアクションに使っていただければと考えています」
日本には開示の先の移行計画と行動を求める
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